2016年5月15日日曜日

乳母の子守歌

レコンキスタが日常の茶飯事だった15世紀の民衆にとって、エル・シッドは期待される英雄像であり、架空の英雄ベルナルドでさえ祖国の独立を守るためにローランを倒した今日的な人物でした。

伝説はその時代の民衆の悲願のあらわれといえます。レコンキスタ・スペインの民衆は「ロマンセ」の中にその思いを吐露しました。

そしてロマンセは、口から口へと伝えられ、それを耳にする人の心をひとつにし、民衆の思考のパターンとなっていきました。


そうした伝承の糸は、現代にまでつながっています。たとえばフェデリコ・ガルシア・ロルカ=写真=は「子守歌」をテーマにした講演で次のように証言しています。

「子どもたちにこの憂鬱なパンを与えるのは貧しい女性たちで、裕福な家にそれを届けるのも彼女たちなのです。金持ちの子どもは貧しい女性の子守歌を聞き、その唄が、白い野生の乳とともに、この国の精髄を授けるのです。

乳母たちは、昔から、女中やさらに身分の低い召使いとともに、貴族やブルジョアの家庭に、ロマンセ、歌謡、お伽話をつたえるというきわめて重要な働きをしています。

金持ちの子どもたちは、すばらしい女中や乳母のおかげでヘルネルドやドン・ベルナルドや、タマールやエルタルの恋人たちのことを知るのですが、彼女たちは、われわれにスペイン史の第一課をさずけ、『汝は孤独なり、而して孤独に生きん』というイベリアの銘のきびしい刻印を、われわれの肉体に押すために、山をくだり、川に沿って、やってくるのです。

われわれが、仙女の存在を認めるとすれば、当然、いろいろ重要な要素が子どもの眠りをさそうのに手を貸します。仙女はアネモネと温かさをもたらし、母親と子守唄がほかのものを整えるのです」

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