2016年5月18日水曜日

「アルバルゴンサレスの地」①

アントニオ・マチャードのロマンセ「アルバルゴンサレスの地(La tierra de Alvargonzález)」は、これまでにふれたように、「善良な農夫アルバルゴンサレスの強欲な息子2人が、父の財産すべてを手に入れようと、父を殺して底なし沼へ投げ込む。その後2人は、呪われた日々の中で絶望し、父が沈む沼んでいる身を投げる」というあらすじの物語です。

初稿には「盲人のロマンセ」という副題が付けられ、「ラ・レクトゥラ(読書)」という雑誌の1912年4月号に掲載されました。

その後、修正がくわえられて、最終的な形態では「ファン・ラモン・ヒメネスへ」という添え書きが付けられました。


10章構成で、総行数は712行になります。  ここでは、その構成と内容を、何回かに分けてざっと眺めてみます。まずが、第1章(①)から順に、要約していきます。

① 導入部分 Ⅰ(16行)、Ⅱ(8行)、Ⅲ(20行)、Ⅳ(16行)

中くらいの財産の持ち主、この地では“お金持ち”と呼ばれていた若者アルバルゴンサレスが縁日のある日、1人の娘に惚れて1年後に結婚した。

結婚式は、笛、太鼓、ギター、マンドリンの音が村中に流れ、ヴァレンシア風の花火、アラゴンの踊りなど豪華なものだった。

アルバルゴンサレスは、土地を愛し幸せに暮らしていた。3人の子を授かり、ひとりを果樹園の仕事に、もうひとりを羊飼いに就かせ、末っ子を教会に入れた。農民たちの家には「カインの血」が流れている。

この田舎の家でもそうだった。家に来た2人の兄の嫁は、子を産む前に不和の種を生んだ。田舎者の強欲さは遺産相続の分け前では満足せず、欲しいものを手に入れようとする。

末っ子は教会へ入ったものの、ラテン語よりも娘たちのほうが好きだった。ある日、僧服を脱ぎ捨てて遠い国へ渡った。母は泣き、父は財産の分け前を与えて幸運を祈った。

アルバルゴンサレスのいかつい額には、皺が刻み込まれていた。秋のある日、彼は1人で家を出た。澄んだ泉にたどり着き、その傍らで眠り込んだ。

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