2016年5月4日水曜日

「ソリアの野」

これまでに見てきたような詩の「変貌」は、祖国の危機を乗り越えようと「98年世代」が探究した「カスティーリャ」を体験したマチャードが、詩人としての社会的な使命を果たすために選んだ結果であったのでしょう。

そして、それは民俗学者である父などの影響で培われた資質にも大きくかかわっていたと考えられます。


ソリアの大地は干からびて寒い
丘や禿山の上を
緑の草原の上を 灰色の斜面の上を
春が通り過ぎてゆく
香りゆたかなハーブのなかに
小さな白いひなぎくの花を残して
Es la tierra de Soria árida y fría.
Por las colinas y las sierras calvas,
verdes pradillos, cerros cenicientos,
la primavera pasa,
dejando entre las hierbas olorosas
sus diminutas margaritas blancas.

大地はまだよみがえらない
野は夢みている
4月がきても モンカヨの斜面は
雪に蔽われている
旅びとは首や口をマフラーで包み
羊飼いは長い外套を着て
通り過ぎてゆく
La tierra no revive, el campo sueña.
Al empezar abril está nevada
la espalda del Moncayo;
el caminante lleva en su bufanda
envueltos cuello y boca, y los pastores
pasan cubiertos con sus luengas capas.

これは、1907年のある日、荒野のなか、冷たく、乾いたソリアに着いた片田舎のフランス語教師の姿を思い起こさせる「ソリアの野(Campos de Soria )」という詩の冒頭部分です。

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