2016年8月30日火曜日

コプラと「道」①

詩集『カスティーリャの野』には、これまで見てきた、700行を超えるロマンセ「アルベルゴンサレスの地」のような長編詩があるかと思えば、一方で「ことわざと歌(Proverbios y Cantares)」としてまとめられた53篇など、多くの短詩が収録されています。

その多くは「copla(コプラ)」、「歌謡曲(cantar popular)」などといわれる、人々の生活に根ざした民謡や大衆歌謡によく使われる詩の形式です。


コプラについてマチャードは、晩年の散文集『フアン・デ・マイレーナ(Juan de Mairena)』(1936年)の中で、次のように述べています。

「スペインの魂の誠実な記録であるコプラの魅力は、その純真性にある。そのなかには人生経験を経てえられた人間のありようが明示されている。ときに、それを失ったときにおちいる窮地の正体を明らかにする。それはしばしば厚かましいほど、ありふれている。そこにコプラの真髄があると思われる。」

(La copla ――un documento sincero del alma española―― me encanta por su ingenuidad. En ella se define la hombría por la experiencia de la vida, la cual, a  su vez, se revela por una indigencia que implica el riesgo de perderla. Y este a veces, tan desvergonzadamente prosaico, me parece la perla de la copla. )*

*Antonio Machado: Juan de MairenaⅠ, Edición de Antonio Fernández Ferrer, p.266